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新型コロナウイルス変異株(デルタ株)に対する効果確認試験報告 その(1)

亜塩素酸水の新型コロナウイルス変異株(デルタ株)[hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021株] に対する不活化効果を確認してみました、その結果を以下にご報告させて頂きます。

試験条件

試験方法

試験検体:ウイルスとの反応も1.5mLチューブ内で行った。
 なお、ウイルス液の調製は以下のように行った。VeroE6/TMPRSS2細胞(25 cm2フラスコ)にm.o.i. が0.001になるように1.5 mLのウイルス液(hCoV-19/Japan/TY11-927-P1/2021株)を細胞に1時間接種した後、2.5 mLのDMEM low glucose培地(2%FBS、1 mg/mL G-418含有)を入れて48時間培養した。
 その後、培養液を回収し、培養液10 mLあたり1 gのポリエチレングリコール 6,000と0.233 gの塩化ナトリウムの条件でポリエチレングリコール(PEG)沈殿処理を行った後、上澄み液(培地成分やFBS等)を除去し、沈殿物(ペレット)をリン酸緩衝液(PBS)で懸濁し、ウイルス濃縮液とした。
 抗ウイルス試験の方法は以下のように行った。
 ウイルス濃縮液と試薬を60μL:540μL(1:9)の比率で混合し、室温で所定の時間反応させたのちに、0.1 mol/Lのチオ硫酸ナトリウム30μLを加え、中和した。
 その後、DMEM low glucose培地(2%FBS、1 mg/mL G-418含有)を用いて10-6まで10倍段階希釈をおこなった。
 VeroE6/ TMPRSS2細胞(96ウェルプレート)に各希釈のウイルス液を100 µl/wellで接種し、一時間後に吸引除去して100 µl/wellのDMEM low glucose培地(2%FBS、1 mg/mL G-418含有)に置換して培養した。
 また、2日後に各ウェルの感染の有無を判定して、Behrens-Karber法で50%感染希釈を計算し、ウイルス感染価 [50% Tissue culture infectious dose (TCID50)/ml]を求めた。

結果

 亜塩素酸水は遊離塩素濃度(Cl=35.45として)5㎎/L 【DPD法】 [含量 亜塩素酸(HClO2=68.46)として約200 ppm【ヨウ素還元滴定法】]の濃度を、10秒間処理することで5.8 log TCID50/mLの新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染価を検出下限以下(1.5 log TCID50=/mL)にまで低下(≧99.995%減少)させることができた。
 また、遊離塩素濃度(Cl=35.45として)1 ㎎/L 【DPD法】 [含量 亜塩素酸(HClO2=68.46)として約40 ppm【ヨウ素還元滴定法】]であっても10秒間処理することで2 log TCID50/mLの新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染価を低下(99%減少)させることができ、又更に1分間まで処理時間を延長すると、3 log TCID50/mLの新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の感染価を低下(99.9%減少)させることができた。

 以上の結果は、大阪府立大学 大学院生命環境科学研究科 山崎 伸二教授が実施された試験結果(未公表)に基づき、三慶グループが作成したものである。